Project of Apostolic Life - Statutes

使徒的生活のプロジェクト

会則


序文

 本会則は本会の使徒的生活のプロジェクトを示す会憲を補完するものである。会則は、会憲に表された原理を実践するためのガイドラインと規範を定める。


第一章 教会と社会におけるサレジアニ・コオペラトーリ会員の使徒的貢献

第一条 教会の中の会員

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は地域教会の一員として自身を小教区と司教区の奉仕の場に置く。 教会によってこの奉仕に呼ばれた会員は責任をもって、またサレジオ的な姿勢でその役割を果たす。

 会員は教会の教導職*1に忠実に従う精神を育む。主任司祭、聖職者、修道者及び他の信徒との関わり方は、敬意、連帯、また司牧計画、ことに青少年・家庭・召命に関わる計画への積極的参加によって特徴づけられる。

  【訳注*1 教導職(Magistero della Chiesa):教会の持っている、教える職務。】


第二条 社会文化環境の中の会員

  1. サレジアニ・コオペラトーリ会員は様々な身分・立場を生きながら福音と教会の社会教説*2に忠実である。会員は時のしるしを読み取り、神の創造の業を継承し、誠実、勤勉、一貫した生き方、教育的使命、真剣で時代に即した職業意識、喜びや悲しみ、理想の共有、などあらゆる状況における隣人への奉仕にいつも備えることによってキリストを証しする。

【訳注*2 社会教説(Dottrina Sociale della Chiesa):社会問題に関する教会の教え。】

 会員は文化、経済、政治等の分野で責任をもって社会的生活に参加するために成熟した批判精神の形成をめざす。不正・抑圧・疎外・暴力を引き起こし助長するすべてのものを拒絶しそれらの原因を取り除くために勇気をもって行動する。

 会員は文化の倫理的側面に注意を払いかつそれを重んじる。また広報メディアの進歩に絶えず対応する。これはとりわけ青少年と庶民の養成に与える影響の大きさのためである。

 会員は共通善の発展のために各自の能力と可能性に応じて、文化に関わる組織、労働組合、社会的・政治的機構に参加する。そして自由と正義という福音的要請に応え人権尊重のために働く。そのため、自分が生活している環境における考え方・慣習・法律・構造を改善し刷新するように努める。


第三条 地域社会と地域教会の中の本会

 本会は個人の尊厳と基本的人権促進のために市民社会の声に注意を払う。

 本会は教会の教導職に従い、福音の教えに則った社会・政治的文化の促進に勇気を持って参画し人間的・キリスト教的価値を擁護する。本会は会員が社会においておのおのの役割を責任を持って果たすよう啓発、激励する。

  また本会は団体・運動及び使徒的グループ・教育機関の中で特に青少年と家庭に奉仕し社会的発展段階にある人々との連帯、正義と平和を促進するために働く組織と協働する。

 本会は社会奉仕的活動に特別な関心を払う。養成に関する提案を受け入れキリスト教精神に基づく諸組織の取り組みに参加する。

 本会は諸文化・諸宗教の対話の促進をはかる。


第四条 活動の場

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は自身が生活する状況の中で活動を立ち上げ機能させるように働く。

特に次のような場において。

市民、文化、社会経済そして政治的状況において。青少年の教育と家庭生活に関心を持ちながら。

教会において。司教及び主任司祭に、特に小教区共同体において責任をもって協力する。

サレジオ会、扶助者聖母会、あるいは他のサレジオ家族のグループによって活動が活性化される場で。

他の修道会や信徒の会によって運営される活動において。


第五条 本会及び会員により直接運営される事業

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は、本会または本会会員によって直接運営される事業において自らの使徒的活動を行うことができる。そうした事業は、会憲の当該の箇所に記される通りその特質と目的において本会の精神とカリスマを発揮するものでなければならない。

こうした事業の運営の責任は常にその活動を推進する支部、またはその運営に関わる会員が直接負うものであり、本会の上位組織は負担しない。その事業にとって適切と思われる場合は、社会におけるより幅広い発展を視野に入れ法人化などの公の認可を取得するための手続きを開始することが出来る。


第2章 サレジアニ・コオペラトーリ会員の交わりと協働

第六条 家庭的精神

本会への帰属意識を育むために、サレジアニ・コオペラトーリ会員は互いに霊的資産を分かち合うことによって支え合う。

会員は、病や困難な状況にある会員と現実的方法によって人間的な連帯、キリスト者としての連帯を示し、また愛情と祈りをもって共に歩む。

会員は亡くなった会員との交わりのうちにその証しに感謝し、彼らのために祈りをささげその使命を忠実に継続する。

家庭などの問題に関する教会の教えと司牧的指針への忠実のうちに、またキリスト者としての愛徳の精神のうちに、本会は別居や離婚という状況に陥って苦しむ会員に配慮する。本会は生活と信仰の歩みの中で会員が出会う困難において彼らに付き添う。それは御父の無限の慈しみを信じることによって入会の誓約の中で誓った基本的責務に矛盾しない生き方を保ちながらその状況を生き抜くことにおいて、その人たちを支える姿勢である。

本会は家庭的精神のうちに、正当な理由で修道会を去った後もなおドン・ボスコの精神に結ばれていると感じているサレジオ家族の元修道者に開かれている。そうした人びとのために、本会への正式な入会に際しその新たな状況にふさわしい養成の歩みが必要である。


第七条 行動における共同責任

「使命における共同責任」(会憲第十四条参照)は、「行動における共同責任」と読み換えることが出来る。

本会においてはいかなるレベルの任務も奉仕の精神のうちに、交わり、共同責任、協力の原則に従って遂行される。

サレジアニ・コオペラトーリ会員は、多様な状況と役割をもって各自の固有の貢献を本会にもたらす。それぞれは様々な形で本会の生活に参加するよう求められている。

・活力にあふれる若い会員は、豊かな感受性と創造力をもって共通の使命に貢献する。

大人および高齢の会員は、豊かな経験と長年にわたる忠実さをもって社会の中で営まれ、しかもキリストに根ざした生活の証を通して会に貢献する。すなわち、家族につくし、職務に励み、文化に貢献し、社会・経済と政治に対する責任を果たす。

活動することができない会員は、その犠牲と祈りによって他の会員の教育的・使徒的活動に力を与えることにより貢献する。

教区の聖職者である会員は、その役務を捧げて貢献する。


第八条 経済面での連帯

  1. 帰属意識と共同責任意識は本会の財政面にも及ぶ。サレジアニ・コオペラトーリ会員は財政的貢献をもって支部・管区・地域・世界の各レベルでの会の機能とその使命の実現を支える。

 会員は世界レベルの会の要請、福音宣教活動、サレジオの使命遂行のプロジェクトのために自らの経済能力に応じて協力し、総長に献金を送ることによっても連帯性を生きる。


第九条 サレジオ会、扶助者聖母会との特別な絆

 サレジオ会会員及び扶助者聖母会会員との関係は相互信頼の雰囲気の中で育まれる。サレジオ会の事業として設立された本会支部の活性化のためには、会員の養成におけるサレジオ会と扶助者聖母会のデレゲート、そして修道会共同体の管区と支部の関与が必要である。このことは特に社会の只中でサレジオのカリスマを育成し証を与えることへの貢献となる。

 サレジオ会管区長と扶助者聖母会管区長は、院長たちとの協力のもと交わりと使命における一致を保証する。両管区長は、支部の霊的な成長の促進に深く関わると共に聖性の価値の証と活性化のための惜しみない奉仕に修道会共同体を関わらせる。


第十条 サレジオ家族の他のグループとの結びつき

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は自身をサレジオ家族の他のグループと結びつける共通の霊性と使命を認識し、社会におけるサレジオの使命の司牧的挑戦に取り組むためにサレジオ家族の他のメンバーと連帯する。

 会員はサレジオ家族の諸グループとの具体的な交わりを実現するために、集会、祝典、養成の日、研修会、活性化、友情と親交、祈りの日、黙想会、振り返りの機会を奨励するよう招かれている。

 会員はそれぞれの会のアイデンティティを尊重しつつ、特にサレジオ家族の修道会以外の会との協働に開かれている。


第3章 サレジアニ・コオペラトーリ会員のサレジオ精神

第十一条 行動のスタイル

 ドン・ボスコは、たゆむことのない深い内的生活に活力を得、実践的で進取の気性に富み疲れを知らない創造的な働き手であった。

  サレジアニ・コオペラトーリ会員はドン・ボスコの精神に忠実であり、常に現実に目を向け実際的な感覚を備えている。会員は時のしるしを見極め、自分の地域と市民社会において生じる青少年の主要な要求に率先して取り組む精神をもって適切に対応するよう努力する。会員は自分たちの活動を吟味し常に現実に適応させる心構えをもつ。

 会員は日々の現実の中に神の現存の神秘を探り、また兄弟姉妹の中にキリストの御顔を探し求め観想の姿勢をもって活動する。したがって会員は生活の困難やその喜び苦しみに落ち着いて立ち向かい、使徒的働きに伴う十字架を受け入れる。


第十二条 霊的生活

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は、秘跡に与ること、主との対話、レクツィオ・ディヴィーナ(みことばの深読)によって内的生活を養う。

 会員はサレジオの伝統の祝祭日を祝う。

 会員は本会が提供する例年の黙想会と振り返りの日に参与する。

 会員は特にサレジオ家族のメンバー(修道者及び修道者以外)によって行われる同伴として霊的指導を大切にする。


第4章 サレジアニ・コオペラトーリ会員の帰属意識と養成

第十三条 本会への入会

 養成の課程を修了した志願者は書面によって本会への入会を支部評議会に申請する。

 支部評議会は志願者の入会申請を審査した上で結果を管区評議会に送り、管区評議会はこの審査結果を基に最終決定を行う。

 本会への入会は、本会の名において管区コーディネーターまたはその代理者が本人の誓約を受理することによって成立する。


第十四条 帰属意識

 それぞれの支部評議会は、サレジアニ・コオペラトーリ会員の本会への帰属意識を育みその召命を養いつづけるために年に一回、できればサレジオ会の祝日に誓約の更新を行なう機会を会員のために設定する。

 本会の生活から遠ざかり正当な理由もなく三年間を超えて誓約の更新をしない会員がいる場合、支部評議会はその責任によってその会員が支部の生活から離れるに至った状況を吟味する。

 支部評議会は疎遠になった会員と接触し共に歩む兄弟姉妹的な責任があり、支部への所属の状況について識別の過程をたどるようその会員を招く。

 会員、特に他の使徒的活動や奉仕活動に関わっている会員は、そのカリスマを本会にもたらし本会の活動を広めそれぞれの体験の分かち合いを通して支部をより豊かにする。


第十五条 初期養成のための取り組み

 養成の課程は生涯を通して継続する。なぜなら時の経過の中で個人としてまた置かれている環境の絶えざる変化を通して主が常に私たちを招いているからである。

 志願者の識別の過程を共に歩むため、本会は柔軟かつよく構成された個人または共同体のための養成コースを提供する。養成コースには以下のような人間・キリスト者の次元、教会・サレジオの次元に関わる養成テーマの学習と分析が含まれる。

神のみことば

教会の公文書

ドン・ボスコの生涯と事業

ドン・ボスコの予防教育法

本会の使徒的生活のプロジェクト

総長の文書

本会の文書

霊性とサレジオの聖性

サレジオ家族のカリスマの歴史と発展

 サレジオの使徒的献身と支部活動への参加は初期養成において不可欠である。


第十六条 生涯養成の取り組み

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は生涯養成の必要性を認識し以下のことに取り組む。

家庭・仕事・社会における責任をよりよく果たすために人間として与えられた賜物を成長させる。

自分たちの生き方をより福音的でよりサレジオ的にするために、神との一致を深め信仰と愛徳において成長する。

聖書、教会の教えについての理解、ドン・ボスコ、サレジオの文書についての知識を深めるために黙想と学習に時間をかける。

神から招かれた使徒職と奉仕のための能力を身につける。

 以下の取り組みは養成のために特に有効である。

  • 支部の会員の生活と使徒職の必要性に従い少なくとも月一回の定期的な会合や可能であれば地域社会にも開かれたその他の会合。

深い祈りと識別の機会。

サレジオ家族のグループとのあらゆるレベルでの接触。

サレジオ家族から提供される養成資料をよりよく理解し、特にBollettino Salesianoを優先的に活用する。

 支部、管区、地域そして世界レベルで行なわれる本会の計画・評価の会合は養成のためにも意義のある取り組みである。特定のテーマでサレジオ家族の他のグループと共に、またはそれらのグループによって、行なわれる取り組みにも同様のことが言える。

  本会の上位レベルで、または支部の責任者や代表者によって勧められるそのような取り組みへの参加は適切に準備されその成果を支部の会員と分かち合わなければならない。

 本会は社会的対話における協働のため、批判的センスを育むため、さまざまな手段でアクセスできる養成プログラムの開発のために、種々の広報メディアと最新の技術を活用することに力を入れる。


第十七条 責務の奉仕に向けた養成

 本会における活性化と責務への奉仕は使徒職としての奉仕である。これを通じて本会は交わり、霊的生活、サレジオ的使命において成長し成熟する。すべてのサレジアニ・コオペラトーリ会員は活性化と責務の奉仕のため一定の期間、自分の働きと能力を提供するよう求められることがある。

 会員は求められる一定期間の奉仕を喜んで提供し識別のうちにこれを果たし、本会の定めたプログラムに従ってその務めを引き受ける準備として必要な養成を受ける。

  奉仕の期間を終えた会員は本会の必要に応じる謙遜な姿勢によって本会への帰属意識を証する。


第5章 本会の組織

第十八条 支部及び、管区における連携

 支部は特定の地域内で生活し働く六名以上の会員によって構成される。支部が三つ以上となった際には可能なかぎり速やかに管区に組織される。

 支部はまた特定の関心と役割をもつ会員のグループをもつことがある。その活動は支部評議会によって支えられ活性化される。そのグループの代表が支部評議会の一員となることが望ましい。

 支部が存在しない地域に住む会員は最寄りの支部の所属となる。その支部はこの会員と連絡を保ち支部活動に参加できるよう援助する。

 本会はサレジオの使命によって要請されるところであればどこにでも、管区評議会に定められた方法によって支部を設置する可能性に開かれている。

 サレジオの使徒的・教育的事業に関わる会員はその事業への関わりとして支部を立ち上げることが出来る。このような支部は本会と出会う機会をその事業に関わる信徒に提供するように努める。

 支部を拠点とする可能性を持たない特殊な状況に置かれている会員は、最新の通信技術を活用することを含め管区評議会が定める方法によって直接管区評議会に結ばれる。

 管区レベルで、またその地域において、サレジオ会管区長は活性化、カリスマに関わる指導、サレジオ家族の促進への奉仕を通じて総長の代理であると認識される。

 サレジオ会総長は、扶助者聖母会総長の同意を得て扶助者聖母会の共同体の一部として設立された支部の活性化、指導及び促進の奉仕を管轄の扶助者聖母会管区長に委託する。

 本会の支部が拠点としていたサレジオ会または扶助者聖母会の事業が閉鎖される場合、司教の同意を得てその支部は地域教会の明確な了承の下でその地域におけるサレジオ的存在を保つことに取り組む。

  サレジオ会管区長と扶助者聖母会管区長は、事業の閉鎖の結果として生じる物理的および組織的問題の解決のために支部の責任者と話し合う。また、サレジオ会または扶助者聖母会のデレゲートを引き続き派遣することによって、必要な霊的活性化の責任を果たす。

 近隣のサレジオ会、扶助者聖母会の事業のもとにそれぞれ本会の支部が設立される場合、各支部の自立性を尊重しつつ同一の使命と共通の精神を生きることを認識しながら理解と協働の関係をうち立てることが適切である。


第十九条 支部評議会

 本会支部は支部評議会によって合議的に運営される。

 支部評議会は支部のサレジアニ・コオペラトーリ会員によって選出される支部評議員から成る。適正な人数の評議員(通常は三~七名、但しその支部の合計会員数の三分の一を超えない数)と、発言権を持つサレジオ会または扶助者聖母会のデレゲート一名によって構成される。

 選出された評議員の任期は三年である。再任は二度目の三年の任期までとする。


第二十条 支部評議会の主たる義務と役割

 管区評議会との交わりのうちに、使徒的な目的に則した本会の機能を確実なものにするための支部評議会の主たる任務は以下のとおりである。

会員の養成と使徒的な取り組みの計画を立案し、促進し、調整する。

サレジオ会、扶助者聖母会、その他のサレジオ家族のグループとの一致の絆を確実にする。

集会の招集を決定する。

本会の資産を管理する。

管区評議会の了解の下に支部の一員となる過程を共に歩み、養成プログラムを準備する。

本会の益のため、各自の多様性を尊重しつつ一致の賜物に向けて建設的に方向づけながらすべての会員の様々な専門的能力と霊的豊かさを実りあるものとする。

会員の召命への忠実と支部生活への積極的な参加を支えるような取り組みを活性化する。毎年の誓約の更新はこの忠実への道程を祈念する機会として準備される。

 それぞれの支部評議会は評議員の中から次の役員を選出する。

支部コーディネーター。支部コーディネーターは評議員の中から支部サブ・コーディネーターを指名することができる。

支部財務。

支部書記。

各支部評議会は評議員の中から支部養成担当者を指名する。該当者がいない場合は支部コーディネーターがその任に当たる。

 以下もまた支部評議会の役割である。

志願者を受け入れるあらゆる取り組みを計画し実施することによって、サレジアニ・コオペラトーリの召命に導く。

本会の養成と使命に関わる分野で連携調整すべき領域を決定する。

ドン・ボスコの霊性を広め知らしめる。

志願者を会員として受け入れるか否かについて判断を表明しその判断を管区評議会に伝える。

会員によって提案され実行される全ての活動について合議的に評価を行う。

本会の使徒的生活のプロジェクトに表されていることに関し、支部の機能の最大限の活用を促進するような取り組みを採用する。


第二十一条 支部評議会における任務と役割

 評議会において運営責任を負う評議員には様々な役割がある。

 以下は支部コーディネーターの役割である。

会合を招集し、議長を務め、活動を調整し、決定事項の遂行を見守る。

上位組織に支部の生活と活動状況を報告する。

支部評議会の名によって地域の組織や教会の組織、サレジオ家族の他のグループとの関係において本会を代表する。

サレジオ家族合同評議会に参加する。

緊急の場合には支部評議会の権限の範囲内の事柄について決断を下し事後に適切な報告を行う。

支部評議会の改組のため選挙の実施を指示する。任期の最後に評価報告を作成し新旧の支部評議会の引継ぎに留意する。

管区評議会から提案されるプログラムや取り組みを支部の中で維持し展開する。

志願者の入会申請について支部評議会の意見と必要な情報を添えて管区評議会に提供する。

 以下は支部財務の役割である。

本会に属する資産の保全を図る。

支部会員の経済的連帯を促す。

計画されたさまざまな活動を支えるため資金調達の取り組みを促進する。

財源や財政的支援の可能性を提言する。

本会のより不安定な活動を助成するため連帯的資金の確保に努める。

会計簿と台帳の記録を常に更新する。

支部評議会に予算を提示し決算報告を行う。

管区評議会に年に一回会計報告を行う。

 以下は支部書記の役割である。

会合の議事録を作成する。

支部評議会に属する書類を常に更新する。

管区評議会のために必要なデータを定期的に更新する。

教会や公に関わる法的な行為の処理、また支部内の情報伝達について支部コーディネーターを補佐する。

 以下は支部養成担当者が管区評議会の理解の下で果たすべき役割である。 

志願者のための養成プログラムを準備する。

生涯養成のための年次のプログラムを準備する。

あらゆる養成において特別な側面について配慮し同伴する。


第二十二条 サレジオ会のデレゲート/扶助者聖母会のデレゲート

 サレジオ会管区長と扶助者聖母会管区長は、デレゲートを通して管区事業の一部として設立された支部あるいは修道会管区に結ばれた支部を活性化する。

 それぞれの支部評議会にはサレジオ会または扶助者聖母会の支部デレゲートが置かれる。それぞれの管区評議会にはサレジオ会及び扶助者聖母会の管区デレゲートが置かれる。世界評議会にはサレジオ会および扶助者聖母会の世界デレゲートが置かれる。

  デレゲートはまず何よりもサレジオの使徒的養成の責任をもつ霊的アニメーターである。現行の会則に従い、デレゲートはその立場上の権限によりそれぞれの評議会の評議員である。

 サレジオ会管区長及び扶助者聖母会管区長は、各評議会の評議員の意見を聞き支部における必要性をできる限り考慮した上で支部レベル及び管区レベルのサレジオ会のデレゲート、及び/または、扶助者聖母会のデレゲートをそれぞれ任命する。

 支部がサレジオ会または扶助者聖母会の事業の下で設立されるのではない場合サレジオ会管区長はふさわしく準備を整えたサレジアニ・コオペラトーリ会員または他のサレジオ家族のメンバーを支部デレゲートとして任命することができる。

 デレゲートは必要があればあるいは状況によって適切な場合は、一つ以上の支部を担当することができる。


第二十三条 デレゲートの固有の任務

 デレゲートはサレジオ会及び扶助者聖母会とのカリスマにおける交わりのうちに、自立した組織としての評議会の責任と協力の成長を促す。

 デレゲートは会員が青少年のためにより効果的な使徒職を果たせるよう支援するために霊的・教育的・司牧的導きの奉仕を提供する。

 管区デレゲートは会員の霊的な活性化の役割と、そのサレジオ的・使徒的養成における共同の責任を果たすよう支部デレゲートを支援する。

 管区デレゲートは、地域及び世界デレゲートとの合意の下に、管区のすべてのデレゲートのため、研修と養成の活動を促進する。このことは本会において責任を担うあらゆる人々にも開かれており、霊的活性化という役割に特に重点を置きながらサレジオのカリスマの次元に関わる養成となる。


第二十四条 管区の組織と管区評議会

 総長は世界評議会と共に特定の地域に属する複数の支部をまとめ、これを管区として設立する。

 本会管区は管区評議会によって合議的に運営される。

 管区評議会は支部評議員によって選出される評議員から成る。管区評議会は適正な数の管区評議員(四人から十二人)と、発言権のあるサレジオ会の管区デレゲート、および扶助者聖母会の管区デレゲートによって構成される。

 各管区評議会は、信徒の評議員の中から次の役員を選出する。

管区コーディネーター。管区コーディネーターは管区評議員の中から管区サブ・コーディネーターを指名することができる。

管区財務

管区書記

管区養成担当者

選出された管区評議員の任期は三年とし、間を置かない場合再任できるのは二度目の三年の任期までとする。


第二十五条 管区評議会の主たる役割と任務

 世界評議会との交わりのうちに本会の使徒的目的に適う働きを確実にするための管区評議会の主たる任務は以下のとおりである。

会員の養成と使徒的取り組みを計画し、促進し、調整する。

支部間の協働を促進し支部を訪問して支部評議会の取り組みを支援する。

本会が提示するガイドラインに従って支部評議会と共に初期養成及び生涯養成のコースを設ける。

支部評議会の推薦と意見を聴いた後に志願者を受け入れその受け入れを総本部事務局も共有する。

評議員の辞職についての扱いを審議し決定する。

サレジオ会及び扶助者聖母会との特別な絆、他のサレジオ家族との絆を強める。

管区デレゲートの任命に関し任命者である管区長に意見を述べる。

霊性の研修や黙想会等の重要な機会の開催を促進する。

会員の召命への忠実と本会での生活への積極的参加を促す取り組みを奨励し活性化する。

支部の財務管理のための会計報告を受け取り監査する。

管区評議会の財務管理の会計報告を承認する。

管区会議を招集し運営する。

地域顧問評議会の取り組みに参加する。

本会の資産を管理する。


第二十六条 管区評議会の任務と役割

 管区評議会において運営責任を負う評議員にはさまざまな任務がある。

 以下は管区コーディネーターの役割である。

管区評議会の名によって本会を代表し一般の組織ならびに教会の組織、サレジオ家族の他のグループとの関係を維持する。

緊急の場合には管区評議会の権限の範囲内での事柄に関し、決断を下し事後に適切な報告を行う。

会議を招集し議長を務め、活動を調整し決定事項の遂行状況を見守る。

管区評議会の改組のため、選挙の実施を指示する。任期の最後に評価報告を作成し新旧の評議会の引継ぎに充分に配慮する。

支部の責任者の同意のもと、通常の形で本会との接点を持つことのできない会員に同伴する。

地域の世界評議員と協働してさまざまな取り組みを促進すると共に管区の生活や活動について地域の世界評議員に知らせる。

サレジオ家族合同評議会に前向きに応じる。

 以下は管区財務の役割である。

本会の資産の保全を図る。

支部間の経済的連帯を活性化する。

財源や財政支援の可能性を提言する。

本会のより不安定な活動を助成するため連帯的基金の確保に努める。

管区の会計簿と台帳を常に更新する。

管区評議会に予算を提示し決算報告を行う。

世界評議会に年に一回の財政報告を行う。

 以下は管区書記の役割である。

会合の議事録を作成する。

管区評議会に属する書類を常に更新する。

世界評議会のためのデータを定期的に更新し報告する。

教会や公に関わる法的な行為の処理についてまた本会内部の情報伝達について管区コーディネーターを補佐する。

 以下は管区養成担当者の役割である。

支部の養成担当者と相談の上志願者のための養成計画を作成する。

管区レベルの生涯養成のためのプログラムを作成する。

管区内での養成のあらゆる側面を見守りフォローする。


第二十七条 管区評議会の固有の任務

 支部の設立及び閉鎖は、サレジオ会管区長又は扶助者聖母会管区長の同意の下管区コーディネーターが署名する通達をもって行われる管区評議会の任務である。サレジオ会または扶助者聖母会の事業に属さない支部については、その教区の司教の書面による同意が必要である。

 扶助者聖母会の事業に属する支部とサレジオ会の事業に属する支部との合併は、それぞれの支部評議会の意見を聴取した後管轄管区のサレジオ会管区長と扶助者聖母会管区長の同意のもと管区評議会の管区コーディネーターの通達により管区評議会の合議の上で行われる。

新しい支部は合併の通達に他の指示がない限り双方の支部の財政的状況を引き継ぐ。

 管区評議会は、サレジオの使命が求められるところであればどこにでも支部を設立する決定を下す。(第十八条 ④参照)

 総会は管区評議員と支部評議員により構成される。その主たる役割は以下のとおりである。

管区評議会のために管区レベルの養成、使命、組織についてのガイドラインと具体的指針を制定する。

管区における本会の進展状況について吟味する。

管区評議員を選出する。

総会は少なくとも三年に一回管区評議員が改選される機会に、管区コーディネーターによって招集される。


第二十八条 地域顧問評議会

 同一の言語や文化を持つ複数の管区または地理的に近い国々の管区は総長の同意の下に地域顧問評議会を設置することができる。

 地域顧問評議会は、連携調整と活性化の主体として管区評議会と世界評議会の交わりにおけるより効果的な協力に資することを目的とする。それぞれの地域の顧問評議会は地域全体の利益のために交流を図り使徒職と養成計画を分かち合う場である。

 地域顧問評議会は以下の地域顧問評議員によって構成される。

同評議会の議長を務めるその地域の世界評議員、各管区コーディネーター、サレジオ会の地域デレゲートと扶助者聖母会の地域デレゲート、同地域顧問評議会の地域指導書に定められる様々な部門の責任者(各管区の養成担当者、財務、書記など)。

 地域顧問評議会のサレジオ会及び扶助者聖母会の地域デレゲートはそれぞれの会の管区長によって任命される。

 地域顧問評議会の会合、組織と協働の手順、そして地域会議の手順はそれぞれの地域の指導書に定められる。


第二十九条 地域会議

地域会議はその地域の管区評議会のメンバー全員と既に設置されていれば地域顧問評議員から成る。

地域会議はその地域の世界評議員によって招集される。

地域会議の役割は以下のとおりである。

地域会議の運営に関わる規定を作成する。

総長によって承認された手続きに従い修道者が全投票権者数の三分の一を越えないよう留意し、その地域の新たな世界評議員を選出する。

地域会議への参加基準及び地域顧問評議会の役員選出の手順を決定する。

地域顧問評議会の役員としての被選挙権者は必ずしも地域会議の出席者に限定されない。

地域に属する本会がどのような状況にあるかを定期的に吟味し活動のための有効なガイドラインを提案する。


第三十条 総長の役務

 総長は自ら、あるいは副総長またはその代理者を通して職務を果たす際、特に本会全体の活性化及び養成と使徒的取り組みの調整において通常、世界評議会を活用する。


第三十一条 世界評議会

 使徒的生活のプロジェクトの本質的な目的を達成するためそしてより効果的な活力と本会の中での協働のために、総長は世界レベルの評議会である世界評議会を活用する。

 世界評議会は総長及び副総長と連携して本会の運営と活性化を行う。そのために世界評議員による活性化にゆだねられた養成及び使徒職・組織・財務管理の取り組みに関する一般的ガイドラインを提供する。

 世界評議会は以下の役員で構成される。

世界コーディネーター

世界財務

世界書記

サレジオ会の世界デレゲート

扶助者聖母会の世界デレゲート

それぞれの地域会議において選任される、各地域の世界評議員

 世界評議会の任務は以下のとおりである。

地域と総長の間の絆を強化する。

それぞれの地域の実情を把握し総長に伝える。

決断とガイドラインの採択のために適切で有用な情報を総長に提供する。

本会のための総長による決定や指針の具体的な適用を導き促進する。

 世界評議員のそれぞれの役割は、世界コーディネーターが指名される最初の評議会の際に使徒的生活のプロジェクトに定められた規定に従い関連する指導書を適用し評議会が提議する。世界評議会の会議への評議員の参加の形態についてもこの指導書の中に示される。

 世界評議会は地域レベル及び管区レベルの適切な部署によって編成される指導書を承認する。

 世界評議会はそれぞれの地域における世界評議員選出の経過を総長に報告する。この経過報告は郵便を用いて行われることもありうる。

 世界評議会は本会の主要言語を用い適切な情報通信手段を利用して世界レベルでの活性化を保証する。


第三十二条 世界評議会の役割

 世界評議会は円滑で機能的な活動を行うために世界コーディネーター、世界書記、世界財務、サレジオ会の世界デレゲート、扶助者聖母会の世界デレゲートによって構成される総本部事務局を活用する。

世界コーディネーターの任命のために地域の世界評議員、サレジオ会の世界デレゲート、扶助者聖母会の世界デレゲートは、評議会の外部からの人材も含めて三人の名前を総長に提案する。

無記名投票により評議会外からの人材も含めて世界財務、世界書記が選出される。地域の世界評議員がこれらの役員として選出されたときには該当の地域で次席の票を得た会員が世界評議員の任に着く。

世界評議員の任期は六年とし通常は引き続く六年任期に選出されることはない。

世界評議会の決定事項は総長の承認後に有効となる。

名誉世界評議員と名誉世界デレゲートは世界評議会に招待され得るが投票権は持たない。


第三十三条 世界会議

 世界会議は本会の最高の議決機関である。その時に応じ会議開催の特定の目的に沿う参加基準と会議開催の方式が定められ、予め定められた参加者と開催様式に従い全ての地域からのサレジアニ・コオペラトーリ会員が総長との一致と交わりのうちに一堂に会する。

世界会議は主として次の目的のために開催される。

使徒的生活のプロジェクトの修正について承認する。

世界レベルでの特定の問題に関わるテーマを扱う。

議題として提示されたテーマについてのガイドラインを決定する。

本会と教会の生活と歴史における特に重要な出来事・行事を祝う。

 総長は世界評議会からの提案を受け、定例の世界会議並びに特別の世界会議のテーマ、開催場所、参加者を定め、その運営を総本部事務局に委託する。


第三十四条 本会の資産の管理

 総長は、世界評議会と共に本会の世界レベルの資産を管理する。総長は会憲第三十九条を考慮しつつ支部評議会、管区評議会に、聖座の介入を必要としない特別な財務管理並びに譲渡行為を遂行する許可を与える権限を有する。


第三十五条 おわりに

 サレジアニ・コオペラトーリ会員は現行の会則を尊重し実施に移す。

 本会則の原則と規定が本会の各地域の実情に合わせて適用される柔軟なものであるために、本会則に設定されている活性化と運営の構造について適切な指導書を制定することにより支部の運営と活性化に関する会則の特定の側面を統合、適用することができる。

  それぞれの指導書の制定は支部あるいは管区の評議会に委ねられており、投票権者の絶対多数による承認の後に直上の評議会に最終的承認のため提出される。

  地域顧問評議会の場合には、指導書は地域会議において提示され最終的承認のために世界評議会に提出される。

  種々の指導書の修正にも同様の手続きが適用される。

 現行の会則は本会の長上(サレジオ会総長)、世界評議会、あるいは管区評議会の提案をもとに修正することができる。いずれの場合も修正の提案は総長によって受諾された後、適宜公にされる。

 修正提案には次のことが必要である。

修正の正当な理由の、明確且つ詳細な提示。

修正の具体的な目的の提示。

修正によって打ち出される本質の提示。

修正のための手続きは、総長の指導の下世界評議会によって定められる。その上で修正の提案は世界会議出席者の絶対多数と、総長によって承認されなければならない。


(以上)

サレジアニ・コオペラトーリ「使徒的生活のプロジェクト 会則」 20071224日版                     1414